新日本保険新聞 コラム

「攻めのDX」と「守りのDX」

保険代理店のための分かりやすいDX 16

「業務効率の向上」と「顧客満足度の向上」目指す

現在、とある大型の専業代理店様に弊社開発システムの導入に向けて準備を進めており、Zoomで事前面談を重ねる中で私自身も多くの学びがありました。この話題をDXと絡めながら共有させていただきます。

通常、保険代理店がシステムを導入する主な目的の1つとして、事務所内のペーパーレス化を含むデジタイゼーション(ツールのデジタル化)を進めたいということが多いです。これはどちらかというと『守りのDX』に該当します。

しかし、その代理店様は約20年かけて業務の効率化を実施してきたため、今回のシステム導入で求めるのは、「業務効率化よりも顧客満足度のための生産性向上」と「非対面で対面以上の顧客満足度を実現すること」でした。この意向は守りではなく『攻めのDX』に該当します。まさにこれからの保険代理店の未来像を描いておられ、業界をリードするイノベータークラスになると、守りのDXは当然のこととして実施し、さらに次のステップに進もうとされていました。

さて、この守りと攻めのDXについて解説したいと思います。

【守りのDX】

守りのDXは、業務プロセスの効率化やリスク管理の強化を目指し、保険代理店の場合、業務の効率化や自動化、データセキュリティの強化が含まれます。

①業務プロセスの自動化:

例えば、申込書の作成等を自動化し、手作業によるエラーを減少させ、業務効率を向上させます。

②データセキュリティの強化:

例えば、保険代理店がクラウドサービスを利用し、顧客データを暗号化することで、不正アクセスや情報漏洩を防止します。

③コンプライアンス管理の強化:

例えば、顧客との契約内容ややり取りを一元管理し、監査対応や規制対応を円滑に行うためのデジタルシステムを構築します。

【攻めのDX】

攻めのDXは、新しいビジネスチャンスを創出し、顧客体験を向上させることを目指します。保険代理店の場合、顧客との接点をデジタル化し、新しいサービスを提供することが含まれます。

①デジタルマーケティングの強化:

例えば、フェイスブックやインスタ広告を活用し、特定の年齢層や職業層に合わせた保険商品のプロモーションを行います。

②オンライン契約プラットフォームの導入:

例えば、保険代理店がホームページに保険商品の説明や申込フォームを設置し、ユーザーが簡単に保険商品の比較・契約を行えるようにします。

③パーソナライズドサービスの提供:

例えば、顧客のライフスタイルや購買履歴に基づき、最適な保険プランを提案するサービスを展開します。

「守りのDX」は業務効率の向上を、「攻めのDX」は顧客満足度の向上を目指します。そして守りと攻めのDXをバランスよく取り組むことで、保険代理店は市場での競争力を高め、長期的な成長を実現することが可能となります。地域密着型の経営をされている保険代理店が多いため、まずは地に足をつけてしっかりと守りを固め(守りのDXを実施し)、その後大きく攻めに転じる(攻めのDXを実施する)ことが保険代理店経営にとって重要となります。

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第3329号(週刊) 新日本保険新聞[損保版]2024年7月22日

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