保険代理店のための分かりやすいDX 17
拍車かかるデジタル化
損保協会の教育テキストも
ここ最近、保険業界には明るい話題が少なく、情報漏えい等のネガティブな話題が非常に多く残念です。保険会社や保険代理店だけでなく、一般社団法人日本損害保険協会でも代理店試験の受験者情報を6780人分漏えいしたと7月19日に発表されました。この漏えい事故は、システムに複数のIDでログインした上で特定の操作をすると、関係ない個人情報まで取得できる不具合があったためです。6月14日にダウンロードされ、代理店から保険会社を通じて損保協会に連絡があり、判明しました。既にシステム改修を終え、不具合は解消したそうです。マイナンバーカードの普及段階でも同様のニュースがありましたね。システム開発において、こういった問題は確実にクリアしなければならず、当社としても細心の注意を払っていますが、身が引き締まる思いです。
さて、そんな日本損害保険協会では、2024年7月から順次、損害一般試験(損害保険募集人一般試験)の受験者向けの教育テキストをデジタル化し、利便性・学習効果の向上及びペーパーレス化の推進を図るとのことです。まずは同年7月に基礎単位、12月に商品単位の教育テキストをデジタル化し、PC・タブレット・スマートフォンで閲覧できる環境が構築されます。デジタル化により、受験者の利便性が向上するとともに、デザイン性や分かりやすさの改善により、学習効果の向上や環境負荷の軽減に繋がるそうです。また、2025年4月版からは紙冊子の配布を終了し、原則としてデジタル化した教育テキストに一本化される予定です(紙冊子を希望の場合は有償販売検討中)。
これはDXの一環として非常に素晴らしい取組みですが、昭和時代の義務教育や受験戦争を経験してきた自分にとっては、果たしてテキスト以外の方法で勉強ができるかどうか心配です。5年に一度、更新試験を迎える損保募集人の皆様にとっても、多くの方が共感いただけるのではないでしょうか。しかし、これも時代の流れで、試験自体は元々オンライン試験ですし、周囲を見渡すと電子書籍やデジタル手続きも進んでいることから、変化に対応していかなければならないと感じています。
もう1点、多くの皆様が敬遠しがちなマイナンバーカードも続々とデジタル化が進んでいます。以下は、現時点で完全には対応していないものや一部しか対応していないものの例です。
①デジタル証明書の利用拡大
②健康保険証としての利用
③ワクチン接種証明書のデジタル化
④オンラインバンキングの認証
⑤公共料金の支払い
⑥運転免許証との連携
⑦行政サービスのワンストップ化
⑧地方自治体の独自サービス
⑨学籍管理と教育関連手続き
⑩災害時の本人確認と支援
以上のように、マイナンバーカードの利便性を高めるためのサービスは徐々に増えていますが、全てのサービスが完全に普及しているわけではなく、今後の拡充が期待されています。今回は時事ネタを絡めてお届けしました。
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第3333号(週刊) 新日本保険新聞[損保版]2024年8月26日