保険代理店のための分かりやすいDX 21
既存システムの老朽化が深刻化
2024年も残すところわずかとなり、いよいよ2025年が目前に迫ってきました。2025年は、経済産業省が2018年に提起した「2025年の崖問題」と呼ばれる、日本のITシステムに関する危機的課題が指摘されていた年です。この問題は、2025年までに多くの企業が抱える既存システムの老朽化やブラックボックス化が深刻化し、適切な対応がなされなければ、経済損失が年間12兆円に達する可能性があるとされています。
保険業界も例外ではありません。多くの保険代理店が、長年使用してきた基幹システムや顧客管理システムに依存しており、それらが徐々に現代のニーズに対応できなくなってきています。ここで重要なのは、2025年の崖問題が単なるITの課題ではなく、業務効率や競争力に直結する経営課題であるという認識です。
特に、保険代理店の多くでは未だシステムを十分に活用できていないケースが大半を占めています。また、10年以上前にスポット的に開発されたシステムを現在も使用している例も少なくありません。これらのシステムは、新しい技術や法律改正に対応しづらいだけでなく、技術者の高齢化や退職によってメンテナンスやアップデートが困難になるというリスクも抱えています。
保険代理店にとって「崖」を乗り越える一年に
例えば、顧客管理システムがブラックボックス化している場合、担当者の引継ぎやクロスセルを提案するためのデータ分析が困難になります。その結果、他の競合他社との差別化が難しくなり、最終的には顧客満足度の低下につながる恐れがあります。
こうした課題を克服するためには、DXの推進が欠かせません。DXの第一歩として、以下の3つのアプローチが考えられます。
①既存システムの見直しとクラウド化
2025年を機に、老朽化したシステムをクラウドベースのプラットフォームに移行することを検討しましょう。これにより、最新技術への対応や柔軟なスケーリング(スケールアップ・スケールアウト)が可能になります。
②データの活用による顧客接点の最適化
データ分析を活用して、顧客が必要とする情報や提案を適切なタイミングで提供する仕組みを構築することが重要です。例えば、AIを活用した分析により、顧客が保険の見直しを検討するタイミングを予測することが可能です。
③スタッフのITリテラシー向上
システムを刷新しても、それを使いこなせなければ意味がありません。従業員が新しいシステムを効率的に活用できるよう、研修やトレーニングを行い、ITリテラシーを高めることが重要です。
DX推進の目的は、単なる効率化にとどまりません。保険代理店の価値を再定義し、顧客にとって必要不可欠な存在になることがゴールです。そのためには、システムの刷新とともに、顧客一人ひとりに寄り添ったサービスを提供する体制の構築が不可欠です。保険代理店のDXについては、ぜひ株式会社エムアイシーまでお気軽にお問い合わせください。
2025年の崖問題は、課題であると同時に大きなチャンスでもあります。この機会を前向きに捉え、未来に向けた一歩を踏み出しましょう。次の一年が、保険代理店にとって「崖」を越える飛躍の年となることを願っています。
▼保険代理店のDXはエムアイシーへ
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第3349号(週刊) 新日本保険新聞[損保版]2024年12月23日