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新日本保険新聞 コラム

事務所機能のストップも想定する求められる在宅勤務可能な態勢構築

保険代理店のための情報セキュリティ知識と対策11

事務所機能のストップも想定する

求められる在宅勤務可能な態勢構築

新型コロナウィルスの影響により、保険業界、いや、日本、世界はどうなっていくのでしょうか。保険代理店の場合、すぐに売上高が激減するのではなく、比較的緩やかに影響を受ける業種なのではないでしょうか。

しかし、お客様である一般的な法人の売上高は軒並み下がり、保険料の単価ダウンはもちろん、廃業による解約も出てくることも考えられます。個人においても給与や手取り額が下がり、リストラも増えていくでしょうから、法人と同様の対応が迫られるかもしれません。

しばらくは既存顧客からの収支悪化だけではなく、新規顧客や契約の獲得にも難航することが予想されます。

さて、保険代理店として何ができるか、何をすべきか、今回はその中でも情報セキュリティに関係する部分が大きい今話題の在宅勤務について基礎的な準備事項をまとめます。

もし、経済全体や周囲ではなく、一番身近な家族や社内に感染者が出てしまった場合、どういった事業運営をするか、予め備えておかなければなりません。最悪の場合、事務所機能をストップせざるを得ない可能性もありますので、在宅勤務は早急にBCP対策として準備する必要がある状況下と思われます。

何から準備するかと言うと、社外でも社内と同様のセキュリティレベルを保てる「ノートパソコン」と「携帯電話」を配備し、それらを会社貸与します。

その上で「自宅にネット環境」があり、「保険会社システム」と「クラウド型の顧客管理システム」があれば保全業務程度なら全くもって問題はないでしょう。テレビ会議ができるようにもしておいた方が良いでしょう。

損保の場合、電話募集や郵送募集が可能な契約は早期に実施し、どうしても対面募集でなければならない契約はでき得る募集人に任せてしまうのも手です。なお、完全な外出禁止となれば郵便を含む物流がストップしてしまいますが、現状の国策からはあり得ないことかと思われます。

ただし、在宅勤務はできるとしても、「BYODをどうするかは情報セキュリティポリシー等でルールにしておくべき」です。BYOD(Bring your own device)は情報セキュリティ用語であり、個人所有の携帯電話やスマートフォン、タブレット、パソコンなどを職場に持ち込み、業務に活用することを言います。

保険代理店にはなじみが少ないですが、国内では大企業を中心に多くのケースで個人所有のデバイスを職場業務に使用することは、情報漏えいの恐れなどのセキュリティの観点から禁止されており、まだまだBYODの導入は進められていないケースがほとんどです。

一方、欧米を中心に個人所有の情報端末を業務に活用する方針へシフトする企業が増えてはきていますし、国内でも一定ルールを設けたうえで、今後増えていくかと思われます。

以上、最低限の在宅勤務の準備についてでした。どうかこの難局を乗り切ってください。

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第3111号(週刊) 新日本保険新聞[生保版]2020年4月13日

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