保険代理店のための情報セキュリティ知識と対策14
自粛から自衛へ時代は変わる
非効率な以前の姿に決別を
ホームページ、httpで本当に大丈夫ですか?
6月19日から都道府県境をまたぐ移動が全面解除となりました。まだまだ油断は禁物ですがビジネスや観光にとって待ちに待った前向きなニュースでした。
さて、この数ヵ月間の自粛期間中に保険業界にとって「人に会えない」という大きなリスクが存在しうることが発見されました。営業活動がかなり制限されてしまいましたので、「今までのままではいけない」と未曾有のリスクに対応すべく各社様々な試行錯誤を行い、学びの多い期間だったかと思います。この新時代の幕開けにこれまでと全く同じスタイルに戻って営業を続けるという方は少ないかと思いますが、成長する代理店とそうではない代理店とが分かれる分岐点になったのは間違いないでしょう。
損保と生保の風土や募集の違いはあるものの、特に損保業界は本来効率良くできることを敢えて非効率でやることが良かれとされてきました。ただし、両業界共通して1対1の相談における効率の順序で言えば、訪問 < 来店 < ビデオ通話 < 電話 < メール ≦ チャットと考えられるでしょうから、できる限り後者寄りの体制は整えるべきです。そのためにも事前紹介や説明を掲載したホームページは持っておくべきかと思います。
ホームページといえば未だにhttpとhttpsの違いを知らない方も多いですが、シンプルに説明すると、「セキュリティ対策をしっかりしているホームページかどうか」ということです。つまり知っている人からすれば「ホームページがhttpのままなのにサイバー保険をよく提案してきたね、御社に本当に任せても大丈夫なの?」と、不安に思われても仕方がないでしょうし、本来リスク回避や移転をアドバイスする保険ビジネスに大きなセキュリティホールがあるので早急なアップデートが必要です。
逆にhttpsではないホームページへの個人情報等の入力はやめておいた方がいいということになりますので、この機会に知らなかった方は考え方を是正してください。
https化はSEO上でも有利になりますし、詳しいことはホームページを管理されている業者さまへご相談ください。さらにオンラインでの相談の体制を整えている場合はその旨もホームページに追記してほしいとお願いしてみてください。せっかく体制を整えているにもかかわらず、アナログ的に口頭で伝えるのみに終わってしまっている代理店も多いようですので。
まさに会社経営においても「自粛」から「自衛」へと時代が変わりましたので、セキュリティ対策を実施し、訪問が当たり前の非効率な業界に戻るのではなく、今こそ訪問の価値を上げる仕組みを作るべきと思います。きっと「わざわざ来てくれてありがとう」と変化していくはずです。そして休日出勤や時間外労働なども極力減らしていき、代理店のスタッフも欧米のように保険会社よりも高収入に変化すべきです。
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第3123号(週刊) 新日本保険新聞[生保版]2020年7月13日