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新日本保険新聞 コラム

非対面営業にさらに拍車かかる年にセキュリティの脆弱性に牙むく攻撃者

保険代理店のための情報セキュリティ知識と対策20

足で稼ぐ業界が大きく一変
リモートワーク元年となった2020年

明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

昨年は保険業界にとってリモートワーク元年となりました。もともと「働き方改革」と世の中で推奨されていたことが、こんな形で急速に普及することになるとは驚きでした。古くから足で稼ぐことを良しとしてきたこの業界が大きく舵を切り、一気にリモートワーク(在宅ワーク)が進み、対面と非対面のハイブリッド型の営業スタイルに保険会社と多くの代理店も切り替えられたことでしょう。どちらかというと、非対面営業を中心とした上で、お客様のニーズに応じて対面営業を行う方が優先的かと思いますが皆様はどう体制整備されましたか。

さて、保険会社ほどの大会社となればリモートワークをする上でのルールは明確に定められているかと思いますが、このノウハウ部分を営業担当に聞いた代理店は少ないでしょうし、手探り状態だったかと思います。

「普段からデスクトップパソコンしか使ってなかったので自宅で仕事ができない」、「やむを得ず私用のパソコンで仕事をしている」、「プリンターがないので自宅で印刷ができない」、「社内とファイルや情報が共有できない」、「リモートワークする上での環境とルールが不明確」等々日ごろの準備(想定)不足という問題は多く、今年はこのような脆弱性を中心に攻撃者が狙ってくるだろうと予測されています。

まとめますと、2021年になっても多くの企業はまだリモートワークの仕組みを明確にできておらず、パンデミックの初期に急きょ採用した仕組みを、少なくとも部分的には維持しようとしていくものと考えられるからです。当然2021年には、攻撃者は企業がまだ対処できていないリモートワークにおけるセキュリティの脆弱性を悪用する方法を模索している可能性が高いということです。

今後の攻撃に対処する上で、企業はデータを保護し続けるために、新しいルールやクラウドの導入を推進し、より適切にセキュリティを担保していく必要があります。保険会社がどうにかしてくれるという発想ではなく、保険会社がどうにかしてくれなければ自分たちでどうにかしよう。自分たちでどうにかできなければお金をかけて誰かにしてもらおう。お金がなければ自分たちで知恵を出し合おう。知恵を出し合う時間がなければ時間を作ろう。では時間を作るためにはどうすればいいのか、細分化していけば答えはきっと見つかるはずです。

「忙しい=心を亡くす」という意味であることは有名です。時間がなければ、できる組織(理念ある組織)と一緒になるしか選択肢がないのが、今の保険業界の動向かと思いますが皆様のお考えとしてはいかがでしょうか。

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第3147号(週刊) 新日本保険新聞[生保版]2021年1月11日

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