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新日本保険新聞 コラム

鳴りやまない営業マンの携帯電話 非効率が美学の保険業界

保険代理店のための情報セキュリティ知識と対策37


「DX」と「働き方改革」
情報セキュリティとは表裏の関係

このコラムは「情報セキュリティ」をテーマにしていますが、「DX(デジタルトランスフォーメーション)」や「働き方改革」も情報セキュリティ対策と表裏一体であると考えています。まだまだ敬遠されがちである情報セキュリティをそういった視点で見ると進めやすいのではないかと感じたのでコラムにしたいと思います。

まず、改めてこれら3つのキーワードはどういう意味なのかを紹介しておきます。

1.情報セキュリティ・・・私たちがインターネットやコンピュータを安心して使い続けられるように、大切な情報が外部に漏れたり、ウイルスに感染してデータが壊されたり、普段使っているサービスが急に使えなくなったりしないように、必要な対策をすること。

2.DX・・・企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。

3.働き方改革・・・働く方々が、個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を、自分で「選択」できるようにするための改革。

ではなぜこれら3つが表裏一体と考えられるかを一言でいうと、働き方改革を実行するためにはDXが必須であり、DXに伴い情報セキュリティも必須であるからです。3つの言葉を並べただけのような形になってしまいましたが、まさにそのままなのです。働く人のワークライフバランスを大切にしていこうとすると業務の効率化が必須であり、自ずと企業をデジタル化している部分(デジタル化していかなければならない部分)に目を向ける必要があるからです。

昔から保険代理店は敢えて顧客対応を非効率にすることに一定の美学があるように思います。ただし、時間の無駄が非常に多く、営業マンの携帯電話は鳴りやまなかったり、休みが休みでなくなったり、社内で情報共有せずに何もかも自分一人で解決したりと、ワークライフバランスとは無縁の世界ではないでしょうか。これを売りでありサービスと考えるならそれで良いかもしれませんが、果たして社長以外の従業員も本当にそのスタイルで良いと思っているのでしょうか。保険代理店の高齢化がささやかれている一端には、こういった風習がもう若者には受けないと考えても良いのではないでしょうか。

世の中は確実に週休三日制に向かっていますが、保険業界ならびに保険代理店にとっては、現状ほぼ不可能である企業が99%以上かと思います。これに対して経営者が一石を投じるためには、やはり情報セキュリティ、DX、働き方改革の3つは必須であることがいえます。日々の数字も大切ですが、経営者が時間を創出し、頭に汗をかかなければ実現は不可能でしょう。

▼エムアイシーは保険代理店であり保険代理店システムの開発会社として、保険業界の最先端企業を目指し、関わる人々の未来を護ります。
https://www.viewsystem.info/

第3215号(週刊) 新日本保険新聞[生保版]2022年6月13日

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