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新日本保険新聞 コラム

お客様の顔と名前どこまで覚えていますか?相手を想う挨拶 些細な会話が原点

地域密着型経営のススメ
-人口減少対策は進めていますか?-

第5回目
お客様の顔と名前どこまで覚えています 相手を想う挨拶 些細な会話が原点

地域密着型経営を進めていくなかで、欠かせないのがお客様や見込客等、人と人とのコミュニケーションです。仕事の時はニコニコと笑顔で挨拶しているのにも関わらず、仕事以外での日常にお会いした時には笑顔も挨拶も無く、そそくさとスルーをしてしまっているとすれば、印象は良くないでしょうし、せっかくのビジネスチャンスを逃している証拠です。

例えば「○○さんこんにちは」から始まり、「お元気ですか?」「髪切りました?」「偶然ですね」などの普通の挨拶でもいいと思いますし、「先日息子さんが教習所に通っているとおっしゃっていましたが順調ですか?」など、相手を想う挨拶や会話ができるかどうかが大切かと思います。ここで必要となるのは、顔と名前が一致している知識の他、その方の周辺情報を把握及び記憶しているかどうかとなります。今回のコラムはそこに焦点を当てさせていただきます。

保険のセールスパーソンであれば、数千人のお知り合いやお客様がいらっしゃる方も多いかと思います。そんな皆様方はどのようにして顔と名前を記憶していますか? 私の場合は、①意識して名前を呼ぶ、②特徴や誰に似ているか等をメモに残しておく、③SNS等で繋がっておく、の3つが主な記憶法です。工夫して脳にインプットすることと合わせて、顧客管理システム等へアウトプットすることを併用することで、さらに記憶率も高まることでしょう。

ちなみに五千人以上の顔と名前、会社名と車のナンバーを覚えているホテルのドアマンの記憶法は、帰宅前や就寝前にメモや頭の情報を読み返すことで、寝ている間に脳が整理されて記憶が固定化されるそうです。

また、記憶法とは異なる話ですが、坂本龍馬で有名な四国の高知県にありますネッツトヨタ南国株式会社では、過去に1回でも来店された方が車でお見えになると、すぐさま車種とナンバーをシステムで検索し、「こんにちは○○様、ご来店ありがとうございます。本日はお車の点検ですね」といった具合に女性スタッフがお出迎えのうえ、お客様より先にご挨拶をされるそうです。この日常から徹底されているホスピタリティがあるからこそと思うのですが、お客様より自宅で採れた野菜を詰めて届けてくださる方や、スタッフが風邪を引くと心配してわざわざ来店してくださる方もいるそうです。これこそがまさに地域密着型経営の理想形と言えるかと思いますし、こういったシステムを活用したサービスも最近ではよく耳にするようになりました。

生損保共に保険の仕事で保険が活躍する場面はいたって少なく、感謝や喜んでいただけるのは日常的な出来事ではありません。しかし人は、顔と名前やささいなことを覚えてもらっていて、嬉しくないと思われる方は少ないでしょう。地域密着型経営を進めていくにあたり、それらを覚えるというよりも、喜んでもらいたいと思う普段からの心がけ(ホスピタリティ)が重要ではないでしょうか。

第2940号(週刊)  新日本保険新聞[生保版]2016年9月19日

過去のコラムは以下のとおりです。
第1回目 住んでいる町が消えてしまう・・・変化に適応した行動が急務
第2回目 地元ケーブルテレビにレギュラー出演 地域想う同世代の同志との出逢い
第3回目 縦や横のつながりの重要性増す SNSの積極活用で人間関係構築が容易に
第4回目 自社自身の人脈を地域に活かす「あの会社でなければ」と言われるために
第5回目 お客様の顔と名前どこまで覚えています 相手を想う挨拶 些細な会話が原点
第6回目 将来が心配な世帯増加 生保商品の必要性さらに高まる
第7回目 代理店の持つ人脈活用に期待 これまで以上のネットワーク構築が必要
第8回目 顧客情報を自社システムで一元管理 対応履歴こそが最大の財産 細かなやり取りを
第9回目 顧客情報の蓄積、データ化が命運握る 他業種との提携強化で収入源が変化
第10回目 5月には改正個人情報保護法が全面施行 机の上に個人情報記載の書類が・・・
第11回目 志を持つ地域の若手経営者とコラボ企画 新生活がスタートする今が好機
第12回目 地域情報サイトを運営 地域の人や事業者と共に成長する仕組作り
第13回目 人が来たくなるコンテンツは何か?
第14回目 他業種との積極的交流を 地域の中小企業経営者を獲得する
第15回目 保険でお客様の金銭的問題を解決する お金の大切さについて周知しよう
第16回目 顧客数増やす地道な努力 21世紀は分かち合う時代 『対面』の価値をいかに提供するか
第17回目 電子データの活用で広がる顧客からの感謝の幅 情報は代理店にとりかけがえのない「財産」 くれぐれも宝の持ち腐れにせぬように
第18回目 新たな収益源の確保を 自治体との“連携”をキーワードに
第19回目 保険とゴルフの相関関係 よろず屋でありコンサルタント 環境悪化しても必ず活路はある
第20回目 人こそが最大の商材 保険営業マンは頼られる「職人」
第21回目 代理店における採用活動を考える 自由度の高い保険ビジネスの魅力
第22回目 この十数年で業界、社会環境激変 今の業務フローに常に疑問持ち続け
第23回目 AIに取って代わられるのか? 保険の素晴らしさを再認識 保険の仕事は商品よりも人 人と人とが信頼しつながることで成り立つ
第24回目 近隣のハザードマップを用意していますか 顧客、知友人にもぜひともご案内を
第25回目 ビジネスに繋がる人間関係の構築を推奨 地域の団体やコミュニティに所属することは地域貢献
第26回目 さまざまな2018年問題 加速する子どもの減少 地域貢献としてセミナー、催しを積極開催
第27回目 自主的にコンプライアンス順守を徹底することが自らを守る 保険会社から親離れする時に 自ら考え行動することが急務
第28回目 強いチームは皆、同じ方向に向けて進んでいる 組織として機能し続けることが不可欠 強い組織には『イズム』がある
第29回目 災害救助法について把握しておこう 緊急時の顧客への対応体制を構築する 各地で相次ぐ大規模天災 代理店としてどう対応すべきか
第30回目 相次ぐ天災、保険の大切さを痛感 こんな時こそ代理店が「ヒーロー」に
第31回目 異常な天災相次ぐ1年 代理店にとっても多忙な年に 代理店自らの「万一」を考える必要も 組織化で本当の安心感を提供
第32回目 顧客が困ったときに思いだしてもらえるか 相談に乗れる存在になる 情報が保険販売に変わり収益に
第33回目 地方の目立つ自動車保険依存の収益構造 自動運転のニュースには敏感 生保代理店・損保代理店で情報交換の場を設定 代理店間で情報量に圧倒的な差
第34回目 「人」にかわり、「スマホ」や「仕組み」が保険契約を取る時代に 吸収する代理店、される代理店 お客様が喜ばれることは何なのか?
第35回目 「お客さまの声」、前向きに捉え 企業の成長、信頼を高める 苦情管理、適切に行われていますか PDCAサイクルを構築・確認する
最終回 各地で進む人口減少 あらゆる地域で加速化見せる 体制整備、未来への種まきは進んだか? 新たなリスク出現にビジネスチャンスも

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