地域密着型経営のススメ
-人口減少対策は進めていますか?-
第15回目
保険でお客様の金銭的問題を解決する お金の大切さについて周知しよう
梅雨入り前に引渡しを済ませたいご家庭が多いからか、史上空前の低金利だからか、消費税増税前だからか、火災保険の新規契約件数がここ数年で一番多かったです。
そんななか、2019年1月から全国平均で3.8%引き上げとなる地震保険料の話題もあり、地震や津波のリスクが高いと言われるここ日本において、地震保険を始め保険の役割は益々重要になってきます。人口減少対策の他、経済的損失対策も誰もが考えておきたいところですので、今一度私たちの仕事である「保険とお金」について考察してみました。
保険とは、火災・死亡・病気等の偶然の事故による損害を補償するため、多数者が一定の資金(=保険料)を出し合い、実際に事故があった時その者に一定金額(=保険金)を与える制度。 ※Googleの検索結果
この意味は保険に携わる皆様からすれば当然のことであり、皆様はそうではないかと思いますが、この意味を忘れて商品を売ることが果たすべき目的になっている人がいたりすることで、保険の切り替えの話が回ってきたりもするかと思います。
私たちは保険という商品を扱うことで、お客様の金銭的な問題を解決することが、何より大切な役割です。そう考えると、見直しをして保険料を安くすることも1つの目的と解釈できますがこの部分はご愛嬌です。
そして、損害保険で言えば、もしもの自動車や火災の事故や地震等。生命保険で言えば、現実に起こり得る遺産相続や死亡後の家族の生活のこと。これらのような様々な形で存在する金銭的な問題を解決するという目的と情熱を持ち、知識と信頼を重ねていくことが私達の仕事ではないだろうかと思います。
ところで、近年、現金のやり取りが非常に少なくなってきています。保険料の支払いもカード決済や口座振替が当たり前となり、保険業務でお金(硬貨・紙幣)に触れることがほぼ無くなりました。先日、ご契約をいただきました創業140年の老舗味噌屋さんとお金について話をしていまして、「うちの商売は現金のやり取りを大切にしていきたい」とおっしゃられていました。さすがに保険料は口座振替でお支払いいただきましたが(笑)
今やネット通販では、ボタンを軽くクリックするだけで数円から数百万円以上の物まで簡単に買い物ができ、お金が支払われます。その方曰く、お金に対してのありがたみが薄れてきた気がするとのことでした。
確かに電子マネーも普及し、ますます現金払が無くなり、子どもや次世代にお金の大切さをどう伝えていくべきかと、一人の親として重要な責務と感じる議題です。そんな時代背景のなか、経済的損失への対策だけでなく、お金の大切さについて広報していくことも、私たち保険に携わる者としての大きな役割ではないでしょうか。
今回は少し本題とは外れたかもしれませんが、保険とお金に携わる皆様方が地域の皆様に対して、そういった役割を担っていることを強く訴えたかったのです。よく考えてください、通販での保険販売では絶対に伝えられない大切な役割なのです。
第2979号(週刊) 新日本保険新聞[生保版]2017年7月10日
過去のコラムは以下のとおりです。
第1回目 住んでいる町が消えてしまう・・・変化に適応した行動が急務
第2回目 地元ケーブルテレビにレギュラー出演 地域想う同世代の同志との出逢い
第3回目 縦や横のつながりの重要性増す SNSの積極活用で人間関係構築が容易に
第4回目 自社自身の人脈を地域に活かす「あの会社でなければ」と言われるために
第5回目 お客様の顔と名前どこまで覚えています 相手を想う挨拶 些細な会話が原点
第6回目 将来が心配な世帯増加 生保商品の必要性さらに高まる
第7回目 代理店の持つ人脈活用に期待 これまで以上のネットワーク構築が必要
第8回目 顧客情報を自社システムで一元管理 対応履歴こそが最大の財産 細かなやり取りを
第9回目 顧客情報の蓄積、データ化が命運握る 他業種との提携強化で収入源が変化
第10回目 5月には改正個人情報保護法が全面施行 机の上に個人情報記載の書類が・・・
第11回目 志を持つ地域の若手経営者とコラボ企画 新生活がスタートする今が好機
第12回目 地域情報サイトを運営 地域の人や事業者と共に成長する仕組作り
第13回目 人が来たくなるコンテンツは何か?
第14回目 他業種との積極的交流を 地域の中小企業経営者を獲得する
第15回目 保険でお客様の金銭的問題を解決する お金の大切さについて周知しよう
第16回目 顧客数増やす地道な努力 21世紀は分かち合う時代 『対面』の価値をいかに提供するか
第17回目 電子データの活用で広がる顧客からの感謝の幅 情報は代理店にとりかけがえのない「財産」 くれぐれも宝の持ち腐れにせぬように
第18回目 新たな収益源の確保を 自治体との“連携”をキーワードに
第19回目 保険とゴルフの相関関係 よろず屋でありコンサルタント 環境悪化しても必ず活路はある
第20回目 人こそが最大の商材 保険営業マンは頼られる「職人」
第21回目 代理店における採用活動を考える 自由度の高い保険ビジネスの魅力
第22回目 この十数年で業界、社会環境激変 今の業務フローに常に疑問持ち続け
第23回目 AIに取って代わられるのか? 保険の素晴らしさを再認識 保険の仕事は商品よりも人 人と人とが信頼しつながることで成り立つ
第24回目 近隣のハザードマップを用意していますか 顧客、知友人にもぜひともご案内を
第25回目 ビジネスに繋がる人間関係の構築を推奨 地域の団体やコミュニティに所属することは地域貢献
第26回目 さまざまな2018年問題 加速する子どもの減少 地域貢献としてセミナー、催しを積極開催
第27回目 自主的にコンプライアンス順守を徹底することが自らを守る 保険会社から親離れする時に 自ら考え行動することが急務
第28回目 強いチームは皆、同じ方向に向けて進んでいる 組織として機能し続けることが不可欠 強い組織には『イズム』がある
第29回目 災害救助法について把握しておこう 緊急時の顧客への対応体制を構築する 各地で相次ぐ大規模天災 代理店としてどう対応すべきか
第30回目 相次ぐ天災、保険の大切さを痛感 こんな時こそ代理店が「ヒーロー」に
第31回目 異常な天災相次ぐ1年 代理店にとっても多忙な年に 代理店自らの「万一」を考える必要も 組織化で本当の安心感を提供
第32回目 顧客が困ったときに思いだしてもらえるか 相談に乗れる存在になる 情報が保険販売に変わり収益に
第33回目 地方の目立つ自動車保険依存の収益構造 自動運転のニュースには敏感 生保代理店・損保代理店で情報交換の場を設定 代理店間で情報量に圧倒的な差
第34回目 「人」にかわり、「スマホ」や「仕組み」が保険契約を取る時代に 吸収する代理店、される代理店 お客様が喜ばれることは何なのか?
第35回目 「お客さまの声」、前向きに捉え 企業の成長、信頼を高める 苦情管理、適切に行われていますか PDCAサイクルを構築・確認する
最終回 各地で進む人口減少 あらゆる地域で加速化見せる 体制整備、未来への種まきは進んだか? 新たなリスク出現にビジネスチャンスも