地域密着型経営のススメ
-人口減少対策は進めていますか?-
第27回目
自主的にコンプライアンス順守を徹底することが自らを守る
保険会社から親離れする時に
自ら考え行動することが急務
今、保険業界は改正保険業法をはじめとした順守すべき法令等や募集に関する禁止事項など、求められるコンプライアンスはより一層厳しさが増し、募集業務の煩雑化が必至です。
募集人(代理店)の権限等説明から意向把握・確認、情報提供など、申込手続に至る一連のプロセスについて適切に実施のうえ管理していく必要があると共に、比較説明・推奨販売、募集人指導事業等の代理店の体制整備や苦情管理も行わなければいけないため、業務量が多くなることで生産性だけでなく収保や手数料ポイントも減少しかねません。
アナログをデジタルへ、非効率的を効率的へと変化させることは、人口が減少している町だけに言えることではなく、今やどの町の代理店経営にも必須条件となっています。
さて、皆様は法令等を順守のうえ募集業務ができていますでしょうか。保険の募集業務はあくまでも保険業法第1条で規定されている「契約者保護」が代理店の日常業務を行ううえでの全ての基本であり、いついかなる時でも念頭におく必要があります。
保険は目に見えない公共性の高い商品であるため、お客様に安心して加入していただくために、お客様本位、法令・社会的規範を順守した販売活動が求められています。また、無形の商品であるがゆえに、申込手続きに至るプロセスにおいては適切に実施のうえ管理し、きめ細かなサービスをお届けする必要があります。このプロセスには保険業法にある情報提供義務、意向把握・確認義務、比較・推奨販売等があり、代理店や募集人の皆様はマイナスイメージを抱きがちではありますが、決して募集業務を圧迫させるためのものではなく、お客様が納得のうえ加入するために必要なプロセスであり、対応の記録を残しておくことで後にクレームにも発展しにくくなる効果もあります。まだ体制整備ができていない代理店は早期に取り掛かることをお勧めします。
このように保険会社主導でなく代理店が自主的にコンプライアンスに取り組み、徹底することでお客様は守られると共に、代理店自身が不祥事件に関わったり、苦情やトラブル時に不利益を被る可能性が低くなり、守られることに繋がります。
もちろんコンプライアンスだけでなく、会社としてやるべき体制整備は他にもさまざまです。代理店が自ら考え自ら行動する、ある意味保険会社から親離れをする時期が到来しています。ぜひ自立した地域の核となる代理店であり会社を目指してください。
▼保険業法に則った業務管理の体制整備はMIC-ViewSystem(ビューシステム)をご活用ください。
https://www.viewsystem.info/
第3027号(週刊) 新日本保険新聞[生保版]2018年7月9日
過去のコラムは以下のとおりです。
第1回目 住んでいる町が消えてしまう・・・変化に適応した行動が急務
第2回目 地元ケーブルテレビにレギュラー出演 地域想う同世代の同志との出逢い
第3回目 縦や横のつながりの重要性増す SNSの積極活用で人間関係構築が容易に
第4回目 自社自身の人脈を地域に活かす「あの会社でなければ」と言われるために
第5回目 お客様の顔と名前どこまで覚えています 相手を想う挨拶 些細な会話が原点
第6回目 将来が心配な世帯増加 生保商品の必要性さらに高まる
第7回目 代理店の持つ人脈活用に期待 これまで以上のネットワーク構築が必要
第8回目 顧客情報を自社システムで一元管理 対応履歴こそが最大の財産 細かなやり取りを
第9回目 顧客情報の蓄積、データ化が命運握る 他業種との提携強化で収入源が変化
第10回目 5月には改正個人情報保護法が全面施行 机の上に個人情報記載の書類が・・・
第11回目 志を持つ地域の若手経営者とコラボ企画 新生活がスタートする今が好機
第12回目 地域情報サイトを運営 地域の人や事業者と共に成長する仕組作り
第13回目 人が来たくなるコンテンツは何か?
第14回目 他業種との積極的交流を 地域の中小企業経営者を獲得する
第15回目 保険でお客様の金銭的問題を解決する お金の大切さについて周知しよう
第16回目 顧客数増やす地道な努力 21世紀は分かち合う時代 『対面』の価値をいかに提供するか
第17回目 電子データの活用で広がる顧客からの感謝の幅 情報は代理店にとりかけがえのない「財産」 くれぐれも宝の持ち腐れにせぬように
第18回目 新たな収益源の確保を 自治体との“連携”をキーワードに
第19回目 保険とゴルフの相関関係 よろず屋でありコンサルタント 環境悪化しても必ず活路はある
第20回目 人こそが最大の商材 保険営業マンは頼られる「職人」
第21回目 代理店における採用活動を考える 自由度の高い保険ビジネスの魅力
第22回目 この十数年で業界、社会環境激変 今の業務フローに常に疑問持ち続け
第23回目 AIに取って代わられるのか? 保険の素晴らしさを再認識 保険の仕事は商品よりも人 人と人とが信頼しつながることで成り立つ
第24回目 近隣のハザードマップを用意していますか 顧客、知友人にもぜひともご案内を
第25回目 ビジネスに繋がる人間関係の構築を推奨 地域の団体やコミュニティに所属することは地域貢献
第26回目 さまざまな2018年問題 加速する子どもの減少 地域貢献としてセミナー、催しを積極開催
第27回目 自主的にコンプライアンス順守を徹底することが自らを守る 保険会社から親離れする時に 自ら考え行動することが急務
第28回目 強いチームは皆、同じ方向に向けて進んでいる 組織として機能し続けることが不可欠 強い組織には『イズム』がある
第29回目 災害救助法について把握しておこう 緊急時の顧客への対応体制を構築する 各地で相次ぐ大規模天災 代理店としてどう対応すべきか
第30回目 相次ぐ天災、保険の大切さを痛感 こんな時こそ代理店が「ヒーロー」に
第31回目 異常な天災相次ぐ1年 代理店にとっても多忙な年に 代理店自らの「万一」を考える必要も 組織化で本当の安心感を提供
第32回目 顧客が困ったときに思いだしてもらえるか 相談に乗れる存在になる 情報が保険販売に変わり収益に
第33回目 地方の目立つ自動車保険依存の収益構造 自動運転のニュースには敏感 生保代理店・損保代理店で情報交換の場を設定 代理店間で情報量に圧倒的な差
第34回目 「人」にかわり、「スマホ」や「仕組み」が保険契約を取る時代に 吸収する代理店、される代理店 お客様が喜ばれることは何なのか?
第35回目 「お客さまの声」、前向きに捉え 企業の成長、信頼を高める 苦情管理、適切に行われていますか PDCAサイクルを構築・確認する
最終回 各地で進む人口減少 あらゆる地域で加速化見せる 体制整備、未来への種まきは進んだか? 新たなリスク出現にビジネスチャンスも